振袖のたたみ方とは?着た後のお手入れや保管方法についても解説します!

振袖は文化や伝統、そして家族の絆を繋ぐ日本文化の大切な象徴です。
しかし、その美しい振袖をいつまでも大切に保つためには、適切な手入れが欠かせません。
そこで今回は、振袖を長く美しく保つための基本的なお手入れ方法について解説します。
振袖を着た後にどのように扱えば良いのか、その正しいたたみ方や保管方法について、知っておきましょう。
 

美しさを保つための振袖のお手入れ

 
振袖を着た後、ただクローゼットにしまうだけでは、カビやシミの原因になりかねません。
美しい状態を長く保つためには、着用後のお手入れが重要です。
ここでは、振袖のお手入れの基本的な流れをご紹介します。
 

湿気を取り除く

 
着用後の振袖は、体温や汗、湿気を含んでいます。
そのまま保管してしまうと、湿気がカビの原因となります。
振袖をハンガーに掛け、直射日光の当たらない風通しの良い場所で2〜3時間干しましょう。
 
これにより、振袖内の湿気を取り除き、細かなシワも自然と伸びますよ。
 

ホコリを落とす

 
湿気を取り除いたら、次はホコリを落とす作業に移ります。
振袖を軽くたたくようにして、衿や袖口などの気になる部分のホコリを落としましょう。
ホコリもカビの原因になり得るため、この工程は欠かせません。
タオルで落としきれない汚れがある場合は、専門のクリーニングサービスに相談するのがおすすめです。
 

振袖のたたみ方とは?

 
振袖を美しく保つための保管方法の1つとして、正しいたたみ方があります。
特に、振袖を長期間保管する場合には、振袖に負担をかけないように、丁寧にたたむことが重要です。
 
1:振袖を広げる
 
まずは、振袖全体を広げます。
この時、床が汚れていないか確認し、きれいな状態で作業を始めましょう。
床にたとう紙やクリーンなシーツを敷くと、振袖を汚れから守れます。
振袖は、左手側に衿、右手側に裾がくるように横にして床に広げましょう。
 
2:下前を内側に折る
 
手前側の下前を、脇縫い線に沿って内側に折ります。
この工程では、振袖の生地に無理な力を加えないように注意しましょう。
生地を傷めないように、やさしく折りたたみます。
 
3:衽を折り返す
 
折った下前の衽を、衽線に沿って手前に折り返します。
この時、首回りの衿を内側に折りたたみます。
振袖の美しさを保つためにも、折り目がきれいになるように丁寧に作業を行いましょう。
 
4:上前を折る
 
次に、上前の衽をたたみます。
このとき、下前に重なるように、裾の下前と上前の褄先をキレイに重ねます。
衿肩回りの縫い目にシワがよらないように、丁寧に折りたたみましょう。
 
5:上前側の袖を折り返す
 
上前側の袖を袖付け線で折り返し、身頃の上に重ねます。
袖の折り方にも注意し、振袖の美しさを損なわないようにします。
 
6:下前側の袖を折り込む
 
下前側の袖も同様に身頃の下に折り込みます。
ここでは、振袖が崩れないように注意しながら、きれいに整えます。
 
7:身頃をたたむ
 
最後に、裾を持ち上げて身頃を二つ折りにします。
下前側の袖の袂も一緒に折り返し、シワをキレイに伸ばせば完成です。
たたみ終わったら、「たとう紙」に収めて保管しましょう。
 

振袖を保管するときのポイント

 
振袖を美しく長持ちさせるためには、保管方法にも気を配る必要があります。
適切な保管方法を実践することで、振袖を長年にわたって大切にできます。
ここでは、振袖を保管する際の重要なポイントを解説します。
 
1:一枚ずつたとう紙に包む
 
振袖一枚一枚を丁寧にたとう紙で包みましょう。
たとう紙は、振袖をホコリや直接的な摩擦から守り、色移りを防ぐ効果があります。
和紙製のたとう紙は吸湿性に優れており、湿度の変化から振袖を守ってくれます。
また、たとう紙に包む際は、折り目がきれいになるように丁寧に行い、振袖がシワにならないように注意しましょう。
 
2:桐たんすに収納する
 
桐たんすは、湿度調整機能があり、虫やカビから振袖を守るのに適しています。
桐は湿気を吸収し、乾燥時にはその湿気を放出する性質があります。
これにより、振袖が最適な環境で保管されます。
また、桐たんすは軽くて丈夫であるため、長期間の使用にも耐えられます。
振袖を保管する際は、可能な限り桐たんすの使用がおすすめです。
 
3:定期的なたとう紙の交換
 
たとう紙は時間の経過とともに湿気を吸収し、変色したりカビが生えたりすることがあります。
そのため、1〜2年に一度は新しいたとう紙に交換するのがおすすめです。
特に、梅雨時や長期間保管する場合は、定期的な交換を心掛けましょう。
 
たとう紙を交換する際には、振袖を点検し、必要に応じてクリーニングや修理を行うようにしましょう。
 
4:湿度と温度の管理
 
振袖を保管する際には、湿度と温度の管理も非常に重要です。
理想的な保管環境は、湿度が50〜60%、温度が18〜25度程度です。
湿度が高すぎるとカビの発生リスクが高まり、低すぎると振袖の生地が乾燥してしまいます。
 
湿度調整剤や除湿機を使用して、適切な湿度を保つようにしましょう。
また、直射日光が当たらない場所で保管することで、色あせを防げます。
 

まとめ

 
振袖の美しさを長く保つためには、適切なお手入れと保管が欠かせません。
着用後の振袖のお手入れから、正しいたたみ方、保管方法に至るまで、この記事で紹介した基本的な手順を守ることで、振袖の美しさを長期間保てます。
大切な振袖を次の世代にも引き継げるように、今から丁寧なお手入れを心掛けましょう。